くわしく
中小M&Aガイドライン(第3版)は、交渉でおおむね条件が合ったところで、売り手と買い手が基本合意を結ぶとしています。主な中身の例として、M&Aのやり方(株式の譲渡か事業の譲渡かなど)、デュー・ディリジェンス(DD)の前の時点での譲渡の予定額、社長やほかの役員・従業員の処遇、最終契約までの日程と、双方がすること・守ること、条件の最後の調整の方法などを挙げています。売り手に対しては、仲介会社・FAや士業等の専門家の助言を受けて調印することが大切だとしています(47ページ)。
仲介会社・FAに向けては、資金繰りが厳しく時間の余裕がない場合などを除き、それまでの交渉の結果を確かめ、DDに進む前に買い手に独占的な交渉の権利を与えるなどの趣旨から、原則として基本合意を結ぶことが望ましいとしています(94ページ)。
中小企業庁が公表している基本合意書のひな形(参考資料7)には、譲渡の価額のめど、DD、独占的な交渉の権利、秘密保持、有効期間などの条項が並んでいます。ひな形は「あくまでも例」で、必要に応じて弁護士等の専門家に相談することが望ましい、と書かれています。
誤解されやすい点
- 基本合意は、最終契約ではありません。ガイドラインは、基本合意書には基本的に法的な拘束力がないものの、買い手の独占的な交渉の権利や、秘密を守る義務などには、法的な拘束力を認めるのがふつうだとしています(21ページ)。どの条項に拘束力があるかは、書面の中で確かめてください
- 必ず結ぶとは限りません。ガイドラインは、資金繰りなどでクロージングを急ぐ場合に、基本合意を結ばず、最低限の秘密保持契約だけで最終契約に進む場合もあるとしています(47ページ)。入札の手続きなどでは、買い手の意向表明書に売り手が応諾書を出して、基本合意とほぼ同じ合意として扱うこともあるとしています(20・95ページ)
国のデータで見ると
仲介の業務がある2,978機関のうち、売り手側で中間金ありと届け出ているのは889機関です。そのうち806機関(90.7%)が、中間金を払う時点を「基本合意締結時」と届け出ています。この806機関のうち、590機関は中間金を「成功報酬に含む」、216機関は「成功報酬に含まない」としています(2026年10月12日取得)。
このサイトでの扱い
手取りの計算機は、「成功報酬に含まない」と届け出た中間金の金額を、手数料に足して計算しています。