くわしく
中小M&Aガイドライン(第3版)は、クロージングを、M&Aの最終契約の決済のことで、最終契約を結んだあと、株式や財産の譲渡と、譲渡の代金の全部または一部の支払いを行う工程だとしています(21ページ)。
- 最終契約を結んだだけでは、M&Aは終わりません。ガイドラインは、譲渡の代金はクロージングで初めて払われるのがふつうで、最終契約からクロージングまでの間について、最終契約に条件(クロージングの前提条件)が決められることもあるとしています(49ページ)
- クロージングでは、買い手から代金の全部または一部が確実に入金されたことを確かめることが必要としています。事業の譲渡で不動産が含まれる場合は、登記の書類をやりとりするのがふつうで、司法書士などと日程を合わせて準備します。借入れや担保がある場合は、担保を外す手続きについて、取引のある金融機関と前もって調整が必要になることもあるとしています(56・98ページ)
- 従業員や取引先などに知らせる時期について、ガイドラインは、ごく一部の親族や幹部などを除き、原則として、できるだけクロージングのあと(早くても最終契約のあと)に知らせるべきとしています(31ページ)
- 手数料との関係では、ガイドラインは、成功報酬を、主にクロージングのときなど案件が終わったときに払うものとして例に挙げています(39ページ)
誤解されやすい点
- 支払いや手続きが、クロージングのあとになる取り決めもあります。ガイドラインは、譲渡の代金の分割払いや、役員退職慰労金のクロージング後の支払いなどには、払われないリスクがあり、慎重な検討が要るとしています(53〜54ページ)
- 仲介会社やFAの支援は、ふつうクロージングで終わります。ガイドラインは、仲介会社やFAの役務は基本的にクロージングの時点で終わっていること、クロージングのあとの当事者どうしの争いの解決に関わることは、弁護士しかできない行為(弁護士法第72条)にあたるおそれがあることから、支援には限りがあるとしています。争いが起きたら、弁護士に相談することを検討する必要があるとしています(50・57ページ)