くわしく
中小M&Aガイドライン(第3版)は、経営者保証を、中小企業の経営者による個人保証としています(23ページ)。
ガイドラインは、売り手の経営者保証の扱いを、最終契約のあとやクロージングのあとに争いになりうるリスクのうち、仲介会社やFAが、気づいているかどうかにかかわらず対応するものの一つにしています(95〜96ページ)。そのうえで、仲介会社やFAに次のことを求めています(96〜97ページ)。
- 社長の、経営者保証についての意向をていねいに聞く。弁護士などの専門家や事業承継・引継ぎ支援センターへの相談、保証をしている相手の金融機関などへの、M&A成立前の相談も、選べる道であることを説明する。金融機関に前もって相談するときは、M&Aが成立しなかった場合の情報の扱いなどの注意点も伝える
- 売り手がこうした相談を望むなら、断らない。仲介やFAの契約の秘密保持の条項の対象から、相談先の専門家や金融機関などを外す。買い手との契約の秘密保持の条項についても、相談先を外すよう買い手に働きかける
- 保証を外すこと、または買い手に移すことを想定するなら、最終契約で、買い手の義務としてはっきり位置づけることを検討する。外すこと・移すことをクロージングの条件にすることや、移らなかった場合の条項(契約の解除や補償など)を入れる方向で調整する
ガイドラインは、資金繰りの悪化や債務超過がM&Aの背景にある場合、社長が焦って、譲渡の額などの形の上の条件にばかり目が向き、最終契約の義務の中身や、それが守られないリスクを正しく見られないおそれがあるとしています。そのため仲介会社やFAに、そもそもM&Aをすべきかも含めて、売り手と慎重に検討することを求めています(96ページ)。
誤解されやすい点
ガイドラインは、経営者保証の扱いは、案件によってはM&Aが成立したあとに大きなトラブルになることもある、としています(96ページ)。中小企業庁は2024年10月30日、売り手の経営者保証を引き受けずに、売り手の会社の現預金などを移し、支払いをできなくして倒産させる行為をくり返した買い手がいると公表しています。
最終契約の案で、保証を外すのか買い手に移すのか、それがだれの義務か、移らなかったときにどうなるかが書かれているかを確かめてください。判断に迷うときは、弁護士などの専門家や、事業承継・引継ぎ支援センターに相談できます。
このサイトでの扱い
このサイトは、経営者保証の扱いや、契約の中身の判断についての助言はしていません。