くわしく
中小M&Aガイドライン(第3版)は、ノンネーム・シート(ティーザーとも呼ばれます)を、売り手の会社が特定されないように、会社の概要を簡単にまとめた資料だとしています。買い手の候補に、関心があるかどうかを打診するために使います(19ページ)。ネームクリアは、買い手の候補に企業概要書を送り、売り手の会社の名前を明かすことです(105ページ)。
ガイドラインが示す、相手探しのふつうの流れは次のとおりです(19・44・93ページ)。
- 仲介会社などが、売り手の希望を取り入れた候補の一覧(ロングリスト)を作る。数十社程度になることが多い
- ノンネーム・シートで、候補に関心があるかを打診する
- 関心を示した候補を、数社程度の一覧(ショートリスト)に絞る
- 候補と秘密保持契約を結んだうえで、会社名を含む企業概要書などの詳しい資料を渡す(ネームクリア)
ガイドラインは、ネームクリアは、関心を示した候補について売り手の同意を取り、候補と秘密保持契約を結んでから行う必要があるとしています。同意は、原則として、開示する候補ごとに取るとしています(93ページ)。国のQ&Aも、同じ手順で行うよう求めています(Q&A 4ページ)。
売り手が早く相手を探したい場合などに、一定の基準のもとで、仲介会社などがネームクリアの先を選ぶことも考えられる、とガイドラインは書いています。その場合でも、候補との秘密保持契約は欠かせません。仲介会社などには、次のことを求めています(93〜94ページ)。
- 候補ごとに同意を取るのがふつうであることと、任せると希望しない先に開示されるリスクがあることを、売り手に説明する
- 業種や所在地、除きたい会社(取引先や同業者など)といった、できるだけ具体的な基準を決める
- 売り手から指示があれば、すぐにネームクリアをやめると約束する
誤解されやすい点
- 会社名を伏せた資料でも、安心とは限りません。ガイドラインは、秘密保持契約を結ぶ前の段階で、売り手の詳しい情報が外に漏れないよう注意が要るとしています(94ページ)。インターネットのM&Aプラットフォームについては、会社名を伏せた情報でも、会社が特定されるリスクを踏まえて、どこまで出すかを慎重に考える必要があるとしています(58ページ)
- ガイドラインは、テール条項の対象を、少なくともネームクリアをして紹介した相手に限るべきとしています。ノンネーム・シートを見せただけの相手は、対象にすべきではないとしています(105ページ)