社長
借入れが多く、会社の財産を全部お金に換えても、返しきれないかもしれません。特別清算という手続きがあると聞きましたが、破産とどう違うのですか。
案内役
特別清算は、解散した株式会社の清算を、裁判所の監督のもとで進める手続きです。始める条件、開始命令で変わること、協定と個別和解、破産との違いを、会社法・破産法の条文と裁判所の案内・統計で表にします。どの手続きが合うかは、このサイトでは判断しません。
先に結論
- 特別清算は、解散して清算中の株式会社に「清算の遂行に著しい支障を来すべき事情」(清算を進めるのに大きな差し支えがある事情)か「債務超過(財産で債務を払いきれない状態)の疑い」があるとき、裁判所が命じて始まる清算です(会社法510条)。使えるのは株式会社だけで、特例有限会社と合同会社には、このしくみがありません
- 開始命令が出ると、清算は裁判所の監督のもとに置かれ、破産の申立てや会社の財産への強制執行などは止まります。財産の処分や事業の譲渡などには、裁判所の許可が要ります(519・515・535・536条)
- 借入れの減らし方は2つです。債権者集会で協定を可決し、裁判所が認可する「協定型」と、裁判所の許可を得て債権者全員と個別に和解する「和解型」です。協定の可決には、出席した議決権者の過半数と、議決権の総額の3分の2以上の同意が要ります(567条)
- 破産では、裁判所が選ぶ破産管財人が財産を管理して配当します。特別清算では、清算人が裁判所の監督のもとで進めます。協定の見込みがないときなどに破産の原因があれば、裁判所が破産の手続きを始めます(574条)
- 2025年に全国の地方裁判所が受けた特別清算の申立ては423件、法人などの破産の申立ては8,804件でした(最高裁判所 司法統計年報)
- 協定は、債権者が社長などの保証人に対して持つ権利に影響しません(571条2項)。借入れや保証のことは、申し立てる前に弁護士や中小企業活性化協議会(相談は無料)に相談できます
- 中小企業庁のページは、事案によっては、法的整理とともに事業譲渡を使い、事業や雇用を一部でも残せる可能性があるとしています。売る場合の手数料は、譲渡額500万円で手数料を計算するのように機関ごとに確かめられます
特別清算とは
社長
会社を普通にたたむ清算と、特別清算は何が違うのですか。
案内役
どちらも解散したあとの清算ですが、特別清算は裁判所が命じて始まり、裁判所の監督のもとで進みます。破産も並べて、3つを比べます。
清算は、続いている仕事を終わらせ、売掛金などを回収して債務を払い、残った財産を株主に分ける会社の後片づけです(会社法481条)。裁判所のウェブサイトは、特別清算を、解散後清算中の株式会社を清算するのが非常に難しい状況にある場合や、債務超過の疑いがある場合に、裁判所の命令で始まり、その監督の下で行われる特別の清算手続、と説明しています(2026年10月16日に確認)。
| 比べる点 | 通常の清算 | 特別清算 | 破産 |
|---|---|---|---|
| 使える会社 | 解散した会社 | 解散して清算中の株式会社だけ | 株式会社・合同会社などの法人(個人も使える) |
| 主な場面 | 財産で債務を払いきれる | 清算を進めるのに大きな差し支えがある事情か、債務超過の疑いがある | 支払不能か、債務超過(法人の場合) |
| 裁判所の関わり | 監督の下には置かれない(少額の債権を先に払うときの許可など一部を除く) | 裁判所が開始を命じ、清算を監督する | 裁判所が開始を決め、破産管財人を選ぶ |
| 手続きを進める人 | 清算人(会社の後片づけをする人) | 清算人 | 破産管財人 |
| 根拠 | 会社法475・481・500条 | 会社法510・519条 | 破産法15・16・30・74条 |
会社法は、清算の途中で債務超過の疑いがあるときは清算人に特別清算の申立てを(511条2項)、財産で債務を払いきれないことが明らかになったときは直ちに破産の申立てをするよう(484条1項)、定めています。どちらも、怠ると清算人が100万円以下の過料に処されることがあります(976条)。
特別清算は、解散して清算に入ってから申し立てる手続きです。東京地方裁判所の申立ての添付資料の一覧には、清算株式会社の登記事項証明書、清算貸借対照表、債権者に申し出を求めた官報公告の写しなどが並んでいます。解散と普通の清算の手順・期間・費用は、会社の解散・清算の手続きにまとめています。
特別清算を始められる会社と、開始の条件
社長
うちの会社でも使えるのでしょうか。
案内役
会社の形と、裁判所が開始を命じる条件が、会社法に書かれています。裁判所の申立ての一覧には、債権者の同意についての注意も書かれています。
| 確かめること | 会社法などの定め | 条文 |
|---|---|---|
| 使える会社 | 解散して清算中の株式会社(清算株式会社)。特例有限会社には当てはまらない。合同会社などの持分会社の章には、特別清算の定めがない | 会社法510条、整備法35条 |
| 開始の原因(どちらか1つ) | 清算を進めるのに大きな差し支えがある事情がある/債務超過の疑いがある | 510条 |
| 申し立てられる人 | 債権者・清算人・監査役・株主。債務超過の疑いがあるときは、清算人は申し立てなければならない | 511条 |
| 申立先 | 原則として、本店の所在地を管轄する地方裁判所。親会社の特別清算や破産などの事件がある裁判所に、子会社の申立てをすることもできる | 868・879条 |
| 開始を命じない場合 | 手続きの費用が前もって納められない/特別清算でも清算を終える見込みがないことが明らか/特別清算が債権者全体の利益に反することが明らか/不当な目的や不誠実な申立て | 514条 |
整備法は「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」のことで、特例有限会社は、会社法より前からある有限会社のことです。
債権者が申し立てるときは、開始の原因と自分の債権があることを示さなければなりません(888条)。申立人は、手続きの費用として裁判所が決めた額を前もって納めます(予納金。888条3項)。
東京地方裁判所の一覧(2026年10月16日に確認)は、申立てのときに、債権者の申立同意書を付けるよう求めています。そのうえで、総債権額の3分の2以上の債権者から申立同意書が出ないときなどは、負債の総額に応じた破産予納金相当額も必要になることがある、としています。東京地裁民事第20部は特別清算の事前相談を受けておらず、申立て前の相談は弁護士にするよう案内しています。ほかの裁判所では扱いが違うことがあります。
特別清算の流れ(解散から終結まで)
社長
申し立ててから終わるまで、どんな順番で進むのですか。
案内役
株主総会で解散を決めるところから、裁判所の終結の決定まで、会社法の順番で並べます。全体で何か月という国の目安は、確かめた資料には見当たりませんでした。
| 順 | すること | 主な決まり |
|---|---|---|
| 1 | 株主総会で解散を決め、清算人を選ぶ(定款や株主総会で決めなければ、取締役が清算人になる) | 会社法471・478条 |
| 2 | 官報で債権者に申し出を求め、分かっている債権者には一人ずつ知らせる。申し出の期間は2か月以上で、その間は原則として債務を払えない | 499・500条 |
| 3 | 清算人が財産の今の状態を調べ、財産目録と貸借対照表を作る | 492条 |
| 4 | 地方裁判所に特別清算開始を申し立て、予納金を納める | 511・888条 |
| 5 | 裁判所が特別清算開始を命じる。裁判所が公告し、会社に裁判書が届いた時から効力が生じる。裁判所書記官が法務局に登記を頼む | 514・890・938条 |
| 6 | 会社の業務と財産を調べた結果を、債権者集会で報告し、清算の方針と見込みを述べる(ほかの方法で知らせることもある) | 562条 |
| 7 | 協定案を債権者集会にかける(協定型)か、裁判所の許可を得て債権者全員と和解する(和解型) | 563・567・535条 |
| 8 | 協定は、裁判所の認可の決定が確定すると効力が生じる。協定や和解のとおりに払う | 568・570条 |
| 9 | 特別清算が終わったら、申立てにより裁判所が終結を決定する。確定すると効力が生じ、登記される | 573・902・938条 |
裁判所の「民事事件Q&A」は、開始決定のあと、会社が債務の弁済と残りの放棄などを内容とする協定案を作り、債権者集会で可決され、裁判所に認可されたら協定を実行して手続きを終える、と流れを説明しています(2026年10月16日に確認)。協定の認可の決定と、終結の決定も、裁判所が公告します(901・902条)。
特別清算開始命令が出ると、何が変わるか
社長
開始命令が出ると、会社の毎日の仕事はどう変わりますか。
案内役
清算は裁判所の監督のもとに置かれ、お金を払う順番や、財産を売るときの手続きが変わります。主なものを表にします。
| 変わること | 中身 | 条文 |
|---|---|---|
| 裁判所の監督 | 清算は裁判所の監督のもとに置かれる。裁判所はいつでも、清算の仕事と財産の状況の報告を命じ、調べられる | 519・520条 |
| ほかの手続きが止まる | 破産の申立てや、会社の財産への強制執行・仮差押え・仮処分などはできなくなり、すでにあるものは止まる。税や給料など「一般の優先権がある債権」によるものは除く | 515条 |
| 払い方 | 協定の対象になる債権者(協定債権者)には、債権額の割合に応じて払う。少額の債権などは、裁判所の許可を得て先に払える | 537条 |
| 裁判所の許可が要る行為 | 財産の処分、借入れ、訴え、和解、権利の放棄など(最高裁判所規則で決めた額以下のものなどを除く)。許可がないと無効になる。監督委員が選ばれたときは、その同意で代わる | 527・535条 |
| 事業の譲渡 | 事業の全部や重要な一部の譲渡には、裁判所の許可が要る | 536条 |
| 清算人の義務 | 債権者・会社・株主に対して、公平かつ誠実に清算の仕事をする。裁判所は、清算人を解任したり、ほかに選んだりできる | 523・524条 |
| 調査 | 裁判所は必要なとき、調査委員に、開始に至った事情や業務・財産の状況を調べさせられる | 522・533条 |
許可を得ないでした財産の処分などは無効です。ただし、事情を知らない第三者には、無効を主張できません(535条3項)。財産を売る前に、裁判所の許可が要るかを確かめることになります。
事業を事業譲渡で引き継いでもらう道もあります。特別清算の中では、事業譲渡に株主総会の承認を求める会社法の章(467〜470条)は当てはまらず、裁判所の許可が要ります(536条)。重要な一部かどうかは、譲り渡す資産の帳簿の額が総資産の5分の1(定款でこれより低い割合も決められる)を超えるかで分けられます。清算人は、許可を申し立てるときに知れている債権者の意見を聴いて裁判所に報告し、裁判所は許可の前に、社員の過半数でつくる労働組合(ない場合は社員の過半数の代表)の意見を聴きます(896条)。借入れが多い会社が事業を渡す道は、赤字・債務超過でも会社は売却できる?にまとめています。
協定型と和解型(個別和解)の違い
社長
借入れを減らしてもらう話は、どうやって決まるのですか。
案内役
債権者集会で協定を決める「協定型」と、債権者一人ひとりと和解する「和解型」があります。裁判所の案内では、債権者が少ないときは和解型で進むことが少なくない、とされています。
| 比べる点 | 協定型 | 和解型(個別和解) |
|---|---|---|
| 中身 | 債務の弁済と残りの放棄などを内容とする協定案を作り、債権者集会に申し出る | 協定に代わり、債権者全員と一人ずつ和解する |
| 債権者の同意 | 出席した議決権者の過半数と、議決権の総額の3分の2以上の同意で可決 | 債権者全員と和解する |
| 裁判所の関わり | 可決のあと会社が認可を申し立て、裁判所が認可する。認可の決定が確定すると効力が生じる | 和解には裁判所の許可が要る |
| 協定に反対した債権者 | 認可されると、反対した人も含め、すべての協定債権者に効力が及ぶ | (和解型には当てはまらない) |
| 裁判所の説明 | 可決され認可されたら協定を実行し、終結の決定を経て手続きを終える | 債権者が少ない場合など、全員の同意を得やすい場合に、和解型で清算されることが少なくない |
| 東京地裁の予納金 | 5万円 | 10,596円 |
| 根拠 | 会社法563・567〜571条 | 会社法535条、東京地裁の説明 |
協定には、債務の減免、支払いの猶予など、権利をどう変えるかの一般的な基準を定めます(564条)。権利の変え方は協定債権者の間で平等でなければならず、不利益を受ける債権者が同意した場合や、少額の債権などで差をつけても公平を害さない場合などが例外です(565条)。
協定で変えられない債権もあります。
- 担保のある部分: 銀行などが会社の財産に抵当権などの担保を持っている場合、担保で回収できる部分は協定で変えられず、その部分には議決権もありません(522条2項・548条4項・564条)
- 一般の優先権がある債権: 協定債権からは、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権が除かれます(515条3項)。たとえば社員の給料などの雇用関係の債権には一般の先取特権があり(民法306・308条)、国税はほかの債権に先立って徴収されます(国税徴収法8条)
協定案を作るとき、会社は、担保を持つ債権者や一般の優先権がある債権者に、参加を求めることができます(566条)。
裁判所は、手続きや協定が法律に違反して直せないとき、協定が遂行される見込みがないとき、不正な方法で成立したとき、債権者全体の利益に反するときは、協定を認可しません(569条)。
特別清算と破産の違い
社長
結局、破産と比べて何が違うのでしょうか。
案内役
誰が手続きを進めるか、債権者の同意が要るか、払い方が違います。条文と裁判所の資料で並べます。どちらが合うかは、弁護士と確かめてください。
| 比べる点 | 特別清算 | 破産(会社の場合) |
|---|---|---|
| 使える会社 | 解散して清算中の株式会社 | 株式会社・合同会社などの法人。解散したあとも、残った財産の分配が終わるまでは申し立てられる |
| 始まる原因 | 清算を進めるのに大きな差し支えがある事情か、債務超過の疑い | 支払不能か、債務超過 |
| 申し立てる人 | 債権者・清算人・監査役・株主 | 債権者か会社。会社は取締役や清算人が申し立てる |
| 手続きを進める人 | 清算人(裁判所の監督のもと) | 裁判所が選ぶ破産管財人。財産を管理し処分する権利は、管財人だけが持つ |
| 債権者の同意 | 協定型は過半数と議決権の総額の3分の2以上の同意、和解型は債権者全員との和解 | 開始の条件に、債権者の同意は入っていない |
| 払い方 | 協定や和解で決めたとおり | 法律の順位に従って配当する。同じ順位なら債権額の割合で分ける |
| 前にした取引の取り消し(否認) | 会社法に否認の定めはない。裁判所が役員の責任を査定する手続きはある | 破産管財人が、債権者を害する行為や、一部の債権者だけにした返済などを否認できる |
| 根拠 | 会社法510・511・519・545・567条 | 破産法15・16・18・19・30・78・160・162・194条 |
破産は、裁判所が破産管財人を選び、その破産管財人が財産をお金に換えて債権者に分ける(配当する)手続きです(裁判所「民事事件Q&A」)。会社の財産が手続きの費用にも足りないときは、破産の手続きは廃止されます(開始と同時の廃止は破産法216条、開始のあとの廃止は217条)。2025年に終わった法人などの破産8,298件のうち、配当などをして終結したのは2,072件で、6,062件は開始のあとに費用が足りないとして廃止されました(司法統計年報 第108表)。
特別清算で借入れを減らすには、協定型でも和解型でも、多くの債権者の同意が要ります。特別清算から破産に移ったときは、特別清算の申立ての時を破産の申立ての時とみなして、否認などの決まりが当てはめられます(会社法574条3項)。
費用と、1年あたりの件数
社長
費用はどのくらいかかりますか。ほかにも使っている会社はあるのでしょうか。
案内役
裁判所に納める費用は、法律と各地の裁判所が決めています。東京地裁の例と、全国の件数を並べます。弁護士への費用は頼む先によって違うので、このサイトでは示しません。
| 裁判所に納める費用(東京地裁の例) | 特別清算 | 会社が自分で申し立てる破産 |
|---|---|---|
| 申立手数料(収入印紙) | 2万円 | 1,000円 |
| 予納金 | 協定型5万円、和解型10,596円。事案によっては、負債の総額に応じた破産予納金相当額も | 法人の管財事件は最低20万円と、法人1件につき16,264円。事案に応じて変わる |
| 出典 | 民事訴訟費用等に関する法律 別表第一 11項、東京地裁「特別清算手続」の一覧 | 東京地裁「破産事件の手続費用一覧」(令和8年1月1日現在) |
東京地裁の破産の一覧では、債権者が申し立てる事件と「本人申立事件」は、負債の総額に応じて、法人は70万円(5,000万円未満)からの予納金の表が別にあります。費用は裁判所によって違うので、申し立てる裁判所に確かめてください。
件数は、最高裁判所の司法統計と法務省の登記統計で見られます。
| 2025年の件数 | 数 | 出典 |
|---|---|---|
| 全国の地方裁判所が受けた特別清算の申立て | 423件 | 司法統計年報 第4表 |
| 特別清算の事件で終わったもの | 385件(開始のあとに終結377件、開始の前に却下・取下げなど8件) | 同 第88表 |
| 年末にまだ続いていた特別清算の事件 | 215件(うち申立てから6か月以内177件) | 同 第89表 |
| 法人などの破産の申立て | 8,804件(うち自己破産8,627件) | 同 第105表 |
| 株式会社の特別清算に関する登記 | 785件 | 登記統計 第16表 |
株式会社の特別清算に関する登記は、2016年の569件から、2022年の552件、2023年の546件をはさんで、2024年は676件、2025年は785件でした(登記統計 第16表)。特別清算の登記は、開始と終結などでそれぞれされるので(会社法938条)、登記の件数は会社の数と同じではありません。
社長の保証と、申し立てる前の相談先
社長
会社の借入れは、私が個人で保証しています。特別清算をすれば、保証もなくなりますか。
案内役
協定は、保証人への請求に影響しないと会社法に書かれています。保証の整理には別のしくみがあり、相談できる公的な窓口もあります。
会社法は、協定は、債権者が会社の保証人などに対して持つ権利や、会社以外の人が出した担保に影響しない、と定めています(571条2項)。会社の借入れを社長が個人で保証している経営者保証は、協定で会社の債務が減っても、協定では変わりません。保証が解除される・移る・残る場面は経営者保証(個人保証)はM&Aで解除される?にまとめています。
中小企業庁の「再チャレンジ支援」のページ(2026年10月16日に確認)は、事業再生がきわめて難しい会社や、保証債務に悩む経営者などに、中小企業活性化協議会の弁護士などが、円滑な廃業や保証債務の整理について無料で説明・助言し、必要なら外部の弁護士を紹介するとしています。事案によっては、次の方法も検討できると書かれています。
- 中小版GLを使った私的整理: 中小企業の事業再生等に関するガイドラインを使い、破産せずにすみ、取引先などに迷惑をかけにくい
- 法的整理と事業譲渡の組み合わせ: 事業や雇用を一部でも残せる可能性がある
- 経営者保証GLを使った保証債務の整理: 個人で破産せずに、保証債務の免除を受けられる可能性がある
中小企業活性化協議会は、すべての都道府県に置かれた公的機関で、相談は無料、相談の中身も申込みも秘密を守るとしています。ただし、民事再生・破産などを申し立てたあとの会社は支援の対象にならず、保証人が保証債務の整理を相談することはできる、とされています。裁判所に申し立てる前に相談できる窓口です。
東京地裁民事第20部のページは、裁判所は中立の立場で手続きを進めるため、債務整理や倒産手続の申立ての相談に応じられず、弁護士の紹介もできないとしています。廃業・倒産・破産などの言葉の違いは廃業と倒産の違いに、資金繰りが厳しいときの道は資金繰りが厳しい会社の選択肢に、たたむか売るかの比べ方は会社をたたむか、売るかに、相談先の全体は会社を売る相談はどこにする?にまとめています。
よくある質問
社長
特別清算を申し立てれば、社長の個人保証もなくなりますか?
案内役
特別清算の協定では、なくなりません。協定は、債権者が会社の保証人に対して持つ権利に影響しないと、会社法571条2項に定められています。保証債務の整理には「経営者保証に関するガイドライン」を使う方法などがあり、中小企業活性化協議会で無料で相談できます(中小企業庁のページ)。個別のことは弁護士に確かめてください。
社長
借入れを減らしてもらうと、会社に税金がかかりますか?
案内役
債務の免除と税の関係は、法人税法59条「会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入」に定めがあります。そのうち4項は、解散した会社に残余財産がないと見込まれるときは、過去の欠損金をもとに計算した額を、清算中に終わる事業年度の所得の計算で損金に算入するとしています。国税庁の通達は、事業年度の終わりに債務超過の状態なら「残余財産がないと見込まれるとき」に当たるとしています(法人税基本通達12-3-8)。免除を受けた額の扱いと税の計算は、税理士や税務署に確かめてください。
社長
合同会社や有限会社でも、特別清算を使えますか?
案内役
会社法の特別清算の定めは、清算中の株式会社についてのものです(510条)。会社法より前からある特例有限会社には当てはまらず(整備法35条)、合同会社などの持分会社の章にも定めがありません。財産で債務を払いきれないときの手続きは、弁護士に確かめてください。
社長
特別清算の申立ては、社長が自分でできますか?
案内役
会社法上、清算人は申立てができます(511条)。ただ、東京地裁民事第20部は特別清算の事前相談を受けておらず、申立て前の相談は弁護士にするよう案内しています。協定型と和解型のどちらが合うかについても、裁判所の「民事事件Q&A」は、専門的な知識が要るので弁護士に相談するよう書いています。
社長
まず決算書で財産と借入れを確かめて、県の中小企業活性化協議会と弁護士に相談してみます。事業の一部を引き継いでもらえないかも、あわせて考えます。
案内役
特別清算は、債権者の同意と裁判所の監督のもとで進む手続きです。売る道と比べるなら、譲渡額1,000万円で手数料を計算するなどで、届け出られた手数料を確かめられます。どの手続きを選ぶかは、社長ご自身が専門家と決めることです。
このデータについて
- 条文は、e-Gov法令検索の会社法(2026年8月12日施行の版)・破産法(2026年5月21日施行の版)・民事訴訟費用等に関する法律・会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律・民法・国税徴収法・法人税法で、2026年10月16日に確かめました
- 特別清算の説明と流れは、裁判所の「会社更生・特別清算」「民事事件Q&A」と、東京地裁民事第20部のよくある質問で、2026年10月16日に確かめました
- 費用は、東京地裁民事第20部の「特別清算手続」の申立費用及び添付資料一覧と「破産事件の手続費用一覧」(令和8年1月1日現在)の例です。裁判所や事案によって違います
- 件数は、最高裁判所「令和7年 司法統計年報(民事・行政編)」の第4表(10ページ)・第88表と第89表(65ページ)・第105表(72ページ)・第108表(73ページ)と、法務省「登記統計」商業・法人 年次の第16表(本店の件数。e-Statで2026年10月16日に確認)によります。ページは印字の番号です。司法統計の「法人・その他」には、株式会社のほかの法人も入ります
- 税は国税庁の法人税基本通達12-3-8で、相談先は中小企業庁のページで、2026年10月16日に確かめました
- 計算機の手数料は、M&A支援機関登録制度HP 登録支援機関データベースを加工して作成しています(取得日 2026年10月12日)
- 当サイトは、どの手続きを選ぶかの助言や、法律・税についての助言は行いません。個別のことは、弁護士・税理士や、中小企業活性化協議会などの窓口に確かめてください
出典
- e-Gov法令検索 会社法
- e-Gov法令検索 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
- e-Gov法令検索 破産法
- e-Gov法令検索 民事訴訟費用等に関する法律
- e-Gov法令検索 民法
- e-Gov法令検索 国税徴収法
- e-Gov法令検索 法人税法
- 裁判所「会社更生・特別清算」
- 裁判所「民事事件Q&A」
- 東京地方裁判所 民事第20部 よくある質問(特別清算手続について)
- 東京地方裁判所 民事第20部 特別清算手続 申立費用及び添付資料一覧
- 東京地方裁判所 民事第20部 破産事件の手続費用一覧(令和8年1月1日現在)
- 最高裁判所 令和7年 司法統計年報(民事・行政編)
- 法務省 登記統計 商業・法人 年次(e-Stat)
- 国税庁 法人税基本通達 第12章第3節 会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金
- 中小企業庁「中小企業活性化協議会(収益力改善・再生支援・再チャレンジ支援)」
- 中小企業庁「再チャレンジ支援」
- 中小企業庁 M&A支援機関登録制度 登録支援機関データベース
